世の中は大抵、平等にできている。
そう言うと、きっと大半の人は、嘘だと思うだろう。
でも、本当なのだ。
平等とは、「誰もが同じだけのフィードバックを得る事ができる。」という意味ではない。
平等とは、「誰もが同じだけ行動すれば、同じだけのフィードバックを得る事が出来る。」と言うことである。
誰もが「同じだけ行動」する事は無いので、正しく言えば、「その人の行いに見合ったフィードバックがある。」と言ったほうがいいかもしれない。
日本人は自画自賛を良しとしない風潮があるが、自分が何を提供しているか、その為にどれだけリソースを費やしているかを客観的に視る事はとても重要な事だと思う。
それを意識できるかどうかで、いろんな事が変わると思う。
短所を知る事で、それをカバーすることが出来るように、長所を知る事でそれをより生かす事が可能になるのだ。
そしてそれを周囲にアピールする事で動きやすくなる。
日本人は客観視するときにどうも、短所ばかりをあげつらってしまう傾向にあるが、それと同じく長所も分析し、うまく利用し周囲に臆面なくアピールするべきであろう。
自信を持つと言うことと、謙虚であるという事は一見相容れないような性質を持つように誤解されがちだが、「出来ない事が分かっているから謙虚になり成長できる。」「出来る事が分かっているからその範囲で自信を持てる。」と思っている。「出来ないことが分かっている。」イコール「出来る事が分かっている。」である。
「正しい」という事は、結局のところ自分という変数と、現象という変数を乗算した結果が「正しい」という言葉に結びついた結果だ。
つまり、
自分×現象=「正しい」
だから、同じ現象でも、自分・・・つまりその現象を観測する人が変われば、それが=にもなるし、≠にもなる。
だから、自分の「正しい」をあまり人に押し付けない方がいい。
それはきっと、その人にとって「正しい」という事ではないかもしれない。
だからといって、自分の「正しい」を軽んじてもいけないだろう。
つまり、
自分の「正しい」を大切にしながら、人の「正しい」を尊重すればいいのだと思う。
その結果、人の「正しい」から学ぶこともできるだろうし、その上で、自分の「正しい」をより固いモノにもできるだろう。
結局のところ、戦争とか争いごとが始まるきっかけは、自分の「正しい」を絶対的なモノだと勘違いして人に押し付けてしまった結果なんだと思う。
それでは、誰も幸せにはなれない。
随分、前からそんな事を思ったりする。
これが「正しい」という言葉に関する、僕が「正しい」と思う解釈である。
だから、必ずしも「正しい」わけではない。
ASP.NETに限らずERP,CRM,SCMなどが登場する度に、「魔法の杖シンドローム」という病気に罹る人たちがいる。
今自分が抱えている問題を、それらが一瞬のうちに解決してくれると思っているのだ。
この患者たちは、幸せを外に求めて追い続けている「青い鳥症候群」という病気に罹る人たちと似ている。
それはソリューションを外に求めている点である。
自分不在なのだ。
自分が存在しなければ、魔法の杖も必要ないし、青い鳥も必要ないだろう。
逆に言えば魔法の杖を適用する対象がないし青い鳥も幸せにはしてくれない。
だが、決して治らない病気ではない。
では、どうすれば治るのか。
それは難しいようで簡単である。
自分自身が魔法の杖である事に気付くことである。
結局自分自身が道具の使い方を知らなければ道具はただの無用の長物なのだ。
逆に、道具の使い方を知れば知るほど、自分自身が抱えていた問題を解決してくれるだろう。
まるでその道具が魔法の杖ではないかと実感できるくらいになった時、それはあなた自身の力なのであり、魔法の杖は道具ではなくあなたが持っている知識と知恵の方なのだ。
だから魔法の杖シンドロームに罹っている人たちは・・・
「魔法の杖は外に求めるのではなく、既に内に持っている。使えるようになるのも、するのも自分自身だ。」
という事に早く気付きましょう。
と自戒を込めて。