最近、ユーザ企業にとって、とても憂慮すべき事態が、いろんなところで起こっているのではないかと思う。
それは何かというと、システム化されて数年がすぎて、システム化された業務の詳細を知る人が社内にいない。
もしくは、忘れてしまっているという事態である。
もちろん、ちゃんとモデル化し、業務の詳細が変更される度にモデルにも変更を加え、いつ見ても分かるように管理されていれば
良いかもしれないが、そうではない企業も多いのではないかと思う。
特に、中小企業なんかには多いのではないだろうか。
そして、いざリプレース案件が始まる段階で、システム化を頼んだシステム会社にお願いすると、そちらにも陳腐化した資料しか残っていない。
なんて事も少なくないのではないだろうか。
そうなると、業務の詳細を知る人は誰もいない。
知っているのは、動いているシステムのみ。
という笑えない状態になってしまう。
企業にとって業務の詳細は、とても大事なものである。
その手順に則る事で業務が円滑に行われているからである。
いわば、生命線である。
そんな大事な知識を、システム化の段階で、手放してしまってはいけない。
もちろん、業務の詳細モデルの改修等でアウトソースする事はあっても、業務の詳細モデルの理解を怠ってはいけないのである。
それ自体は、自分(この場合ユーザ企業)自身が理解して、守っていかなくてはいけないのでは無いだろうか。
そうする事で、リプレースの際に必要な改善ポイントも見出せるだろうし、
なによりも
「リプレースするにも、移植すべき詳細仕様が分からない。」
だとか、
「リプレース後に、業務が回らなくなった。」
なんて事態が防げるのでは無いだろうか。