名前探しの放課後/辻村深月 読了

文庫本が発売されていたので、上下巻購入する。

届いたところで、断裁してスキャナでPDF化して、iPhone 4で読む。

こんな時、iPhone 4がガラケーに3年くらい遅れる事で獲得した高解像度がありがたい。

あいかわらず辻村深月の小説は最後の50ページのために、それまでの数百ページを淡々と物語るデザインになっている。

そして、その最後の50ページは、その前の数百ページを読むためのご褒美として充分すぎるものとなっている。

ネタバレしないレベルであらすじを記述すると

「主人公いつかは、3ヶ月後の世界からタイムスリップしてきた。

 3ヶ月後の世界では同級生が自殺していた。

 しかし自殺したという事実と時間だけは覚えているのだが、名前もシチュエーションもわからない。

 それを止めたい一心でタイムトリップおたくのクラスメイト、あすなに声をかける。

 果たして、自殺するのは誰なのか。彼らはそれを阻止することができるのか。」

といった感じになる。

この作品の感想としてなにを語ってもネタバレになりそうだが、他のウェブに上げられている書評にあった

「辻村深月の他の作品を読まないと作品として楽しめないのではないか。」

というものに対して異論がある。正確には

「辻村深月の他の作品を読んでいる時と読んでいない時で結末の捉え方が変わるが、同じだけ楽しめるようになっている。」

作品になっていると感じた。

むしろ、未読のほうが2度楽しめそうな気がする。

しかしながら、世界観としては、他の辻村深月作品とつながっているので、そちらも合わせて読んでみると良いかもしれない。

名前探しの放課後(上) (講談社文庫)

名前探しの放課後(上) (講談社文庫)

名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

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